• テキストサイズ

俺と彼女のカンケイ

第2章 二話





………。
床に藻造作に脱ぎ捨てられた制服を手に取って着替える。
先程まで身体を重ねていた彼女は疲れているのかぐったりとして動きそうな気配がない。

「……帰るの?」

他に何があるというのか。
ここは学校で、授業以外は使わない化学室。
一ノ瀬の制服も取って渡す。
それを受け取るとようやく身体を起こして身につけだした。

放課後、いつもなら美樹と一緒に帰っているが、あいにく美樹は今日美術部の部活がある。それを知っているからこうして一ノ瀬といる。

「…美樹が知ったらどんな顔するかなー。」

ポツリと呟く。けどそれは決して後悔の色ではない。
振り向くと一ノ瀬は笑っていた。

「……山中と…したのか?」

「…山中?…あぁ。あいつか。うん、したよ。」

あっさりと認めた。

「…あいつエッチだね。最初からヤリたい素振りだったし。」

正直タイプじゃなかったけどさ、テクニックあったから許しちゃった♪っと嬉しそう。
この調子だと、どんどん他の男子とも関係を持ちそうだ。

「…なに?気になるの?」

制服を着終わった一ノ瀬はゆっくりと俺に近寄り、そして抱きついてきた。

………暑い。行為後だからというのもあるだろう。

「…そのうちバレるぞ。」

「…ははっ、なにそれ心配してるの?」

「………別に…。」

「…まー、彼氏とかにバレるのは嫌だけどねー。遙人には関係ないじゃん?」

……確かにそうだが。

「……そんなことより、キス…して?」

遙人とのキス好き。と言って顔を上げて目を瞑る。一ノ瀬の頬に手を寄せて屈んで唇を重ねた。チラッと制服着てても隠れきれてない赤い跡が見える。

彼氏にバレたらどうするのか…。思わず呆れてしまう。でも彼氏とは最近全然してないから平気と言われた。
そっと唇を離すと、重ねるだけのキスでは物足りなかったのか、不満そうにもっと強請ってくる一ノ瀬。
一ノ瀬は俺の首に手を回して、俺は一ノ瀬の背中に手を回して、より深く口付けあった。
だから、気づかなかった。



……まさか、その光景をあの人に見られていたということに……。

/ 84ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp