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【HQ】 羽の堕ちた鳥の生き方

第3章 昔と今の狭間で





「かかってこいやァそら!!」

「ぶっ潰してやんよ虎ァ!!」

「ちょっとそら…虎のうつってる……」



はぁ…とため息をつきながらトスをあげる研磨のボールめがけて跳ぶ


ブロックは私より背の高い二人。最初は意地悪をしても許してもらえるだろう



思いきり打つフリをして、ポンッと優しくボールに触れる

すると山本の真後ろにボールは綺麗に着地をした



「まずは1点!!どうよ虎、今の気持ちは!!」

「てめぇ覚えてろよ…!!」

「そらーフェイントじゃ練習になんねぇだろー」

「クロ先輩!これは練習じゃないです!!」

「そうッス!!これは俺とそらの真剣勝負ッス!!」

「暑苦しい…」



虎は女子と話すのが苦手だ、最初は私と目も合わせられないレベルだった

しかし、彼が思っていた以上に私が女らしくなかったらしい…すぐにこうやって打ち解けてしまった

嬉しいのか悲しいのかよく分からないが、よくこうやって遊べる分良かったと思っている



「おりゃあ!!」


バシンッと虎の小指の先に当てると、綺麗にワンタッチが決まる


「くっそ!てめぇ今狙っただろ!?」

「虎は指に力入ってないのかなぁ?女のスパイクに負けてるぞぉー?」

「こンの野郎…!!」



ネット越しにわなわなと震える山本を見て指をさして笑えば周りも笑う








あれからしばらくやり、ギリギリ私の勝利になった


そんな私は皆で寄ったコンビニで、宣言通り虎にアイスを買ってもらっている



「やっぱ運動の後のアイスは格別だね!」

「次はないと思え…!」

「無理無理、単細胞じゃあ私に勝てないよ」

「んだと!?」


笑いながらアイスをほおばると、虎は仕返しとばかりに髪の毛をぐしゃぐしゃにしてくる

本当に女として見ていない事に私は怒りを感じるぞ、虎よ


「…ま、そらのあの精密なスパイクは山本じゃまだ止められねぇな」

「夜久さんまで!?」

「俺も!俺も止めたいです!!」

「リエーフはまだレシーブ練でしょー?まだ早いよ」

「えぇー!いいじゃないですかー!」



わいわいと騒いでいるとクロ先輩にうるさいと怒られるが、そのままわいわいと家へ帰る





選手はやめたが、マネージャーも中々楽しい
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