第10章 猫と梟
結局、あのまま恋愛話(一方的)は終了し午後の授業に戻る
相変わらず勉強は苦手だし、気を抜くことができない状態だがお昼ご飯を食べ終え、あったかい日差しの中授業を受けるのは至難の業だ
案の定私は寝てしまい、授業が終わりそうになると斜め後ろの福永が長い腕を生かして起こしてくれる
ちなみに研磨は完全にスルーする。相変わらずドライなやつだ
「ふぁーあ!学校終わったー!!」
「そらうるさい」
「もー研磨はわかってないなぁ!今日は部活ないんだよ?早く帰れる!」
「そうだね、俺はもう帰るよ」
「え、帰っちゃうの?なにかあるの?」
「ゲームの新作買うから…それに残るとクロが来そう」
そう言うと研磨にしては素早く鞄を持ち、教室から出て行ってしまった
仕方なく手を振って見送ると、福永も用事があるらしく帰ってしまう
「……奴等、今日備品買い足すこと気付いてるな?」
部活のテーピング類が少なくなっていたのをわかっていたのだろうか、ともかく連れて行く人がいないのは困る
誰を連れて行こうか、と悩みながら先輩達の廊下を歩く
「どーしたそら?3年のとこ来るなんて珍しいじゃねーか」
「夜久先輩!買い出しに行くつもりだったんですけど…2年皆帰っちゃって…」
「本当アイツらは…でも俺も今日用事あるんだよなぁ」
ちょっと待ってろ!と言って走り出した夜久先輩を待つと、少ししてクロ先輩を連れて帰ってきた
「黒尾が暇だっていうから連れてきたぜ!こいつと行ってこい」
「あのー夜久さん、俺何も聞いてないんだけど」
「本当ですか!夜久先輩ありがとうございます!!クロ先輩はやくいきましょう!」
「え、あ、はい」
私は状況が把握できていないクロ先輩を引っ張って学校から出た
どうやら暇かどうかだけ聞かれたらしく、主将を労われ!なんて夜久先輩に叫びながら歩いていたが付き合ってくれるらしい
「何買うんだー?早く買ってファミレスとか寄ろうぜ」
「流石クロ先輩、わかってますね!まずは駅前のスポーツショップと、薬局です!」