第6章 再会
コーチに怒られてからタオルを置き、準備を終えるとクロ先輩に声をかけられたのでコートへ向かう
「頼んだ」
「はーい、行きますよー」
クーラーボックスの上に立ち、ボールを持つと烏野の人はなんだ?とチラチラこちらを見てくる
そりゃあネット前に置いたクラーボックスの上に立つマネージャーは滅多にいないからだろう、私は見た事がない
そんな事を考えつつ、ボールを上へあげてスパイクを打つ
クロ先輩を先頭に、それを私の元へと返し私がそれをスパイクで打ち返す、またそれを次の人が…と繰り返す
勿論同じ場所だけじゃつまらないので右や左、後ろや前などコートの中を縦横無尽に走らせる
「おい俺のとこだけ鬼畜だろ!!」
「虎うるさい!文句あるなら顔面当てるぞ!!」
たまに文句が来るけど気にしないで打ち続けると、後ろから歓声の声があがり少し恥ずかしくなる
「すっげー!あんなに連続でスパイク…!影山俺あれやりたい!!」
「日向うるせぇ!下手くそには無理だ!!」
後ろでアップしながら喧嘩している烏野の二人組が少し面白くて笑ってしまう。仲良いんだなぁ
一通り打ち終えると、他のアップに入るため私はそそくさと退散する
周りを改めてみると、どうやら近所の人達がちらほら見に来ているようだった。近所の人達も再戦を臨んでいたのかもしれない
しばらくするとアップが終わり、先生達が話しているのでその隙に…と烏野のベンチへと向かった
「あ!音駒のマネージャー!」
「こんにちは翔陽君、烏野のマネさんいる?」
「あ、清水先輩!音駒の人が呼んでます!」
そう翔陽君が叫ぶと烏野の人が一斉に私の方を見る
その中に、確実に見慣れた顔がいた
「あー!!そら!!!」
「西谷…失礼だろ!」
「大丈夫ッスよ旭さん!コイツ中学の時のチームメイトッス!!」
「えぇ!?そうなんスか!?」
ぎゃーぎゃーと騒ぐ烏野の人達の中心にいる小さいツンツン頭
「夕…久しぶりだね、でも今からマネさんとお話ししたいんだけど」
目の前にマネさんがいるので挨拶を済ませたいのに横から騒ぐのでうるさくて仕方ない
すると、美人マネさんが一言
「西谷、静かにして」
そう言うと、潔子さんに怒られた!と喜び静かにする西谷の姿があった
…相当手懐けられているらしい