第6章 再会
外に出ると既に皆並んでいたので、私は端っこにいた研磨の隣に立った
「研磨、2年の所じゃなくていいの?」
「別にどこでもいいし」
「ふーん…あ、来たんじゃない?」
きっと列の真ん中にいるのが落ち着かないんだろうなぁ…と研磨の気持ちを察しながら前を向くと黒いジャージの集団が小走りで走ってきていた
その姿は正に夜より黒い羽を持った烏だ
隣の彼はビクッと肩を揺らし出来るだけ正面に来る烏野の人達を見ないように下を向いていた
烏野の人達は小走りのまま私達の真正面に整列する
すると、目の前には数日前に会った翔陽君がいた
「あ゛っ!?」
あちらも同じことを考えたようで、私達二人を見て思わず声を出してしまう
研磨は注目されたくないといわんばかりに目を逸らし、私は苦笑する
皆の視線がこちらに向くと同時に翔陽君は口に手をやり黙った
「挨拶!」
「「お願いしアース!!」」
お互いに挨拶を済ませると、すぐに試合の準備に取り掛かる
管理人室へ鍵を返しに走り戻ると、虎が坊主頭の人と何か言い合っているようだった
何やってんだ、止めなきゃ…そう思ったら夜久先輩が止めてくれた
烏野の方も何やら言われており、ホッとすると坊主さんと目が合ったので会釈すると「はぅ!」なんて変な声を出していた
「ね、音駒にもマネが…!!違うタイプで可愛いっ」
何やら悔しそうな坊主さんから虎の方に目線を移すと同じ反応をしていた、なんだお前ら似た者同士か
その視線の先にはきれいな女の人がいた
マネさんだ!アイスゲット!!
犬岡君達と喜んでから、体育館へと入る
ちょっと忙しそうだったし…試合始まる前にご挨拶しようかな?
「虎…あっちのマネさん…」
「そらも思ったか……」
「「超美人じゃね?」」
「…こういう時の虎は本当気が合うと思うわ」
「あぁ…目が合うだけで俺はだめだったぜ…」
「それであの反応か…でもあんな人と目が合ったら幸せだわ…」
艶のある黒髪に知的な眼鏡
そして何より、その人自身の雰囲気が他の人のソレと全く違う
「…虎、恨むなよ。私はあのマネさんに後で挨拶に行く」
「クッ…俺には無理だ…そら、俺の分まで頼んだぞ…」
「下らねぇ事言ってねぇで二人とも準備しろ」
直井コーチに怒られてしまった