• テキストサイズ

【HQ】 羽の堕ちた鳥の生き方

第5章 合宿所





マネージャーの朝は早い


選手や監督達より早く起き、朝食の準備をしてから今日の日程の確認をする

そして買い物リストを作成し、部活で必要な物も調べコーチに提出しお金を貰う

お財布に入れるついでに、男子部屋のカーテンを開けて一部を起こした後食堂で朝食を盛り付ける

全員がご飯を食べている間に洗濯機を回し、ほぼ全員食べ終わったのを見計らって朝食を食べる

その後、洗い物をしてから乾燥機に洗濯物をぶち込み、自分の分の洗濯を始める

自分の洗濯が終わるまで、お風呂を洗い玄関を掃除する

自分の洗濯が終わり、乾燥機に入れて選手達の洗濯物を男子部屋に投げ入れれば朝の仕事が終わる




…そう、めちゃくちゃ忙しいのだ




「犬岡君、芝山君!ほれ、ご褒美」

「えっいいんですか!あざッス!!」

「ありがとうございます!!」


お風呂掃除と洗濯物運びを手伝ってくれたこの二人に、練習試合に行く途中にあったコンビニでアイスを買ってあげた

この二人は特にお手伝いをしてくれるので、つい甘やかしたくなる



「クロ先輩、今日は確か槻木澤高校で試合ですよね」

「おう、今日も頼んだぞ」

「任せてください……って研磨どこです?」

「…ん?」



私がふいに振り返って皆の事を見ると、目立つプリン頭がいない

冷や汗をかきながらクロ先輩も目で探す



「…おい、お前ら研磨知らねぇか?」

「「…あれ?」」



周りをキョロキョロ見ても、見当たらない

直井コーチと猫又監督に至っては苦笑いだ



「そら、黒尾。探して来い」

「はーい」

「わかりました、夜久。アップの指示頼んだ」



直井コーチに言われ、私とクロ先輩だけ別行動となった



「クロ先輩電話してみてくださいよ、研磨の事だし携帯ゲームやってるでしょ」

「それもそうだな…ちょっと待ってろ」


周りをキョロキョロと探しながら電話の返事を待つと、しばらくしてクロ先輩が電話を切った



「地図送ってもらった、土地勘あるか?」

「いや、全然」

「だよなぁ…まぁ行くか」




二人で研磨から送られた地図アプリの画像を見ると、意外に最初の方ではぐれた事がわかりため息をついた


地図からして、公園の入り口にあるブロックとかに座っているんだろう…手のかかる同級生だ
/ 47ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp