第5章 合宿所
一言で言うと、食堂は戦場だった
おかわり!と色んな人が言うものだからゆっくり食べるにはほとんどの人が食べ終わった後だった
男子高校生怖い
「やっぱカレーはおいしいなぁ」
「自分で作った料理に言うか?普通」
「おいしい物はおいしいんですよクロ先輩!私料理は上手なんですからね!」
「本当かー?」
ケラケラと隣で笑うクロ先輩にムッとし、目の前にいる研磨に話しかけた
「研磨は私の作ったアップルパイ食べた事あるもんね?」
「うん…美味しかったよ」
「まじかよ、俺にも食わせろ」
「またいつか作りますよ、今材料と時間がないし」
「楽しみにしてるぞ」
笑いながらそう言われ、またリンゴ大量消費か…なんて考えてしまった
全員が食べ終わると、洗い物を始める
カレーは見事に残らなかった…残ったら明日の朝に出そうと思ってたのになぁ
カレーの匂いでいっぱいの食堂を掃除し、明日の仕込みをする
そして全員がお風呂に入った事を確認してからお風呂に入る
やっぱり仕事をした後のお風呂はいつもの何倍も気持ちがいい
「研磨ー!!」
バンッと風呂上りのままゲームをもって男子部屋に行くと、ビクッと体を震わせながらこっちをみる研磨や他の皆がいた
「そら…髪拭いてから来なよ、風邪ひくよ」
「だって就寝時間になっちゃうじゃん!タオルあるから大丈夫、布団濡れないよ!」
「そういう問題じゃないと思うけど…」
ズカズカと中へ入っていき、研磨の隣に座る
研磨からも私からもお風呂の石鹸の匂いがふわっと香っていた
すると、後ろから突然髪をわしゃわしゃとタオルで誰かに拭かれた
「東京より寒いんだから気をつけろよ」
「夜久先輩!?自分でできます!」
「自分でやらせようとすると後回しにするだろー?ゲームから手離してないの見えてんだかんなー!」
「わーバレたー!先輩やめてぇー」
きゃっきゃ騒ぎながら研磨と進めたかったゲームを進めていく
夜久先輩はお母さんみたいな事をたまに言うが、そんなところが大好きだ
一通り髪を拭かれると、研磨とのゲームを一段落したのでのんびりとしていた
その後、クロ先輩に寝るよう怒られたので部屋に帰り布団にもぐる
思っていた以上に疲れていたらしく、私はすぐに瞼を閉じた