第5章 合宿所
GW前日、学校の放課後に私達は東京駅にきていた
「うおおっ俺新幹線初めて!!」
「まじで…?」
「犬岡君は乗った事ないんだ?」
「そうなんスよ!えっ皆乗った事あるんスか!?」
「普通にある…」
「私は引っ越しとかあったしねぇ」
「あるでしょ」
「えぇー!?そんなぁ」
犬岡君が新幹線に乗ったことがない、という衝撃的な発言に私達は盛り上がっていた
「でも宮城は初めてだな…烏野ってどんなところだろ。仙台しか知らないや」
「私の前に住んでいた所の近くなんですけど、東京とは全然違いますよ。緑豊かな感じ」
「へぇー楽しみだなぁ!」
私含め皆合宿という非日常な事に浮足立っている
その状況を見てクロ先輩が静かにしろ、と注意をしてきた。ちゃんと部長をやっているクロ先輩はかっこいい
「あ、研磨!新作のゲーム持ってきた?」
「うん…そらも?」
「勿論!研磨と一緒にやろうと思ってたんだー!夜一緒にやろうね」
「わかった…どこまで進んだ?」
「多分研磨と比べたら全然だよー、最初の中ボス倒す前にアイテムかき集めてる感じ」
「あそこは中ボス倒せば武器素材とか手に入って便利だよ、周回必須エリア」
「え、そうなの!?ちょ、後で手伝って」
携帯をいじりながら歩く研磨に新作ゲームの話をすると、少し嬉しそうに話してくれる
共通の趣味を持つ友達ほど話していて楽しいものはないだろう
すると、私の携帯にたくさんの通知が来ている事に気付く
メッセージ欄を開けば<リエーフ>の文字
あぁ…確かまだスパイク以外何もできないから待機組になったんだっけ
<そら先輩!烏野はどんなところですか!>
<お土産は牛タンがいいです!!牛タン!>
<先輩もう宮城着きましたか?>
…等のたくさんのメッセージがきていた
いやまだ東京駅だし、さっき体育館で別れたばっかだし
お土産牛タンって地味に指定してきてるし、おいしいけど
どんだけ行きたいんだ…と思いつつ返信しようと指を動かす
<まだ東京駅です、ちゃんとお土産話してあげるからレシーブ練してなさい>
…送信、っと
「おいそら新幹線来たぞー」
「あ、はーい!クロ先輩待ってー!!」