第4章 懐かしい名前
映画を見終え、光太郎はすぐに客間のベットに転がり込んで寝たので部屋へ戻る
「烏野高校…ねぇ」
小さな巨人
烏野高校と聞いて出てくるイメージはそれだ
バレーボールは身長が命と言われているし、それはプレーヤーだった頃から身をもって知っている
それを、あの小さな巨人と呼ばれる選手が見事に否定してくれたのだ
小学生の頃にTVの映像を見たとき、"これが私の戦い方だ"と思った事を覚えている
それからというものの、ひたすらスパイクの精密さを上げた
ブロッカーが苦手な場所、空間、タイミングにボールの回転……色んな事に挑戦した
そのお陰か、中学の頃に私のスパイクを止められる選手は少なくなっていた
「…楽しみだなぁ」
そんな憧れの小さな巨人の後輩の試合が間近で見られる…そう思うと胸が高鳴った
きっとその中にアイツもいる
私がマネージャーになってるの見て驚くかな?
――そんなんでへこたれてんじゃねぇ!治ったらバレーやれよ!絶対だぞ!!辞めたら許さねぇからな!!!
あぁ…あんな事言われて怒られたっけ
ごめん、バレーはやめたよ
でも…
「今も中々、楽しいよ」
今までとは違う景色で関わると、こんなにも違うものなんだなって思えた
それを改めて、アイツに伝えなくては…なんて思いながら私は眠りについた
「合宿…!!合宿だー!!!」
「日向うっせぇ!!」
「俺合宿初めてで…っ!!音駒も楽しみだあぁぁ!!!」
「音駒ねぇ…」
「どうしたんだ?ノヤっさん」
「いや…どっかで聞いた事あるような……ないような…」
「どっちだよ!!」
「よし、ないな!!わかんねぇや!!」
「それでいいの!?」
暗い夜道、烏は賑やかに飛んでいた
再開まで、あと数日