第2章 キッカケ
そして放課後。
「つっかれたー!美桜、縷伊、帰ろ」
「あ、うん。ちょっと待って。」
「おー、」
「よしっ、行こっか」
そう言って3人で教室を出る。
昇降口を出て校門へ向かうと、何やら騒がしかった。
「ん?誰かいるの…あ、」
「え、なになに…あ、」
「え、誰あれ。」
「あーお帰り。乃愛も一緒か。」
女子の大群に囲まれているのは間違いなく兄で。
「麗兄!なんで?高等部の校舎あっちじゃなかったっけ?」
「え、なにこの人美桜のお兄さん?」
あ、そっか。縷伊は見るの初めてだっけ。
「紹介するね。私のお兄ちゃん、澪那麗愛。」
「初めまして。えと、縷伊ちゃん…だよね?いつも話聞いてるよ。俺は麗愛っていうんだ。よろしくね。」
「…よろしくお願いします。」
少し間があった。
「なになに、麗ちゃんどうしたの?」
「迎えに来た。みんなで帰ろう。」
麗兄が迎えに来るとか珍しい。
「え、なに珍しい。麗ちゃんが妹むかえに来るとか。」
「っていうのは口実で実は乃愛に家に遊びに来ないか誘いに来た。縷伊ちゃんもいるしちょうどいいかな。来ない?」
「行きたいっ!お菓子は勿論あるよね?チョコクッキー!」
「あるから。静かにして。
縷伊ちゃんは?」
「い、いいんですか?」
「どうぞ。寧ろ大歓迎だよ。」
「じゃ、じゃあ…」
縷伊は私をチラッと見たあと、
「行こっかな。」
と、呟いた。
「よし、そうと決まればまずはコンビニかな。」
「え、なんで?」
縷伊の頭の上に疑問符が飛び交う。
「好きな物買っていいよ。」
「えぇっ、でも…」
私はボソっと縷伊に、
「素直に買ってもらおう?」
と、言った。
「あ、ありがとう、ございます。」
「いいえ。」
お兄ちゃんは返した。
それから、4人でコンビニに向かった。