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【歌い手】兄は歌い手でした

第2章 キッカケ


「美桜~!」
「ん?」

中学3年、春。

待ちに待った新学期。
クラス替え。

私は、校門の前で幼馴染みの親友、蒼乃愛と待ち合わせた。

「ごっめーん!遅くなっちゃった……」

乃愛は息が上がっていた。

「んーん、大丈夫。…走って来たなら、許そうかな。」
「ほっ、本当?!ありがと!」

そして、乃愛の手を引く。


「ほら、行こう?」
「あ、うん!新学期…何があるんだろうね!っていうか、まだまだずーーーーーっと先のことだけど、学園祭がすっごい楽しみ!」
「本当にずっと先だね…今からは早すぎるよw」

そうして、いつものように、他愛のない話をして、教室へ向かった。
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