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【テニスの王子様】私の王子様【越前リョーマ夢】

第4章 続・恋人



お昼休みになって屋上へ向かう途中、竜崎さんと小坂田さんとすれ違った。

「リョーマさまどこ行ったんだろ?昨日もお昼休み教室にいなかったんだよねぇ〜」

小坂田さんの声にどきりとしながら、素知らぬ顔で歩く。

竜崎さんの表情は、こちらまで落ち込んでしまうような、心配したくなる様子だった。

それでも、リョーマくんは譲れない。

屋上に辿り着くと、いつもより人が少なかった。

今朝の雨のせいだろう。

屋上の隅に織江先輩と生徒会長がいた。生徒会長の隣にはリョーマくん。

リョーマくん?

駆け寄るとリョーマくんが嬉しそうに笑った。

「こんにちは」

生徒会長と織江先輩が顔を上げた。

「ああ、こんにちは」
「こんにちは」

湿ったコンクリートにはブルーシートが敷かれていた。準備が良い。

「彼が持ってきてくれたの、一緒に良いかしら」

「もちろんです」


リョーマくんが自分の隣をぱたぱたと叩く。大人しくそこに座るとリョーマくんが私の手を握った。

「冷えてる?」

「…少し」

先輩達が目の前にいるのに、普通に手を握るリョーマくんに戸惑う。

「越前、手を握ったままだと彼女が食事出来ない」

生徒会長に言われ、はーい、とリョーマくんが手を離す。

織江先輩がくすりと笑った。

「そういえば、2人はきちんと話したことなかったわね」

慌てて生徒会長に向き直る。

「あ、そうです!1年の夜野 夢子と申します!」

ぺこりと頭を下げると、頭をひと撫でされた。

顔を上げると生徒会長がほんの少しだけ微笑んでいた。初めて笑顔を見る。美形だ…。

「手塚国光だ。いつも織江が妹の様に可愛がっていると聞いている」

織江先輩を見るとふふふと優しく笑っている。

「私も先輩のこと、お姉さんの様に思ってます。大好きで、織江先輩みたいになりたいんです!」

意気込んで答えると、手塚先輩がまた少しだけ微笑んだ。

織江先輩が私に手を伸ばし、眼鏡を外させた。

「あ、すみません」

咄嗟に謝り眼鏡を受け取り、今日こそはと持ってきた眼鏡ケースに仕舞った。

「生徒会長、すみません。少し理由があって私、だて眼鏡なんです」

謝ってから、再度顔を上げると生徒会長はこちらを驚いた顔で見ていた。
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