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【テニスの王子様】私の王子様【越前リョーマ夢】

第3章 昨日はクラスメイト



たった1日でこんなに好きになってしまって、やきもちまで焼いてしまって、これから先どうなるんだろう。

ふぅ、と、ため息を吐くと、ぴし、と何かが髪に当たって落ちた。

目をやるとそれは、折りたたまれ小さくなった紙だった。千切られたノートの切れ端。

今日は隣の席の女の子がいるのに、投げて私に当てるなんて、運動神経が良いんだなぁ。

感心しながらノートの切れ端を広げると、そこには電話番号とメールアドレス、LINEのIDが書いてあった。下には小さく『R』とあって、私の頰を緩ませた。

そういえば、連絡先交換してなかったんだ。

切れ端をたたみ直しポケットへ入れ、お気に入りのメモを取り出す。季節外れだけど紫陽花が描かれたメモはとても綺麗で見てるだけで幸せな気持ちになるから、あまり減っていない。

1枚取って『個人情報、ろうえいしてますよ』と書いた。小さく折り畳む。

先生が黒板向かったので、窓際に向かって、小さい動作でメモを投げた。

メモは吸い込まれる様にリョーマくんの手に落ちる。

リョーマくんはメモを、広げながら窓を背に、こちらを向くように足を組み直した。

半身になって頬杖を付き、こちらを向いた王子様は今日も不敵に笑っている。

窓から射す陽に輪郭がぼやけ、なんだか神々しい。隣の女の子には申し訳ないけど、斜めから見える王子様がこちらを見るから、表情が緩んでしまう。

授業と授業の短い休憩時間に、リョーマくんの連絡先を登録した。

LINEからスタンプを、メールには名前と電話番号を入れて送信すると、なんだか可笑しくなった。

付き合ってから連絡先を交換するなんて、本当に順番逆。

ノートの切れ端をペンケースにしまうと、さっきまでのもやもやは何処かへいったようだった。
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