• テキストサイズ

【テニスの王子様】私の王子様【越前リョーマ夢】

第1章 クラスメイト


きゃああっというひと際高い嬌声に目を向けると、テニス部のレギュラー達が出てきた。

越前くんを探す。

女の子たちが口々にお疲れさまですっお疲れさまっと言いタオルや差し入れを手渡す。本当にアイドルみたいだなぁ。

背の高いレギュラー陣の中に越前くんを見つける。鼓動が早くなるのを感じてもう一度静かに深呼吸した。

距離が縮まるのを見て再び緊張する。

「お前、明日遅刻すんなよ」

「桃先輩が遅刻しなきゃ大丈夫っス」

短髪の身体の大きな背の高い先輩と楽しそうに話す越前くん。

桃先輩と呼ばれた先輩と目が合う。越前くんに向かい、あの子?と話すのが聞こえた。

そうっス、という越前くんが私の前まで自転車を押して来た。

「ごめん、お待たせ」

「うん、お疲れさま」

「サンキュ」

越前くんはもう一度振り返り、先輩達に「お疲れ様でーす」と言った。私も慌ててぺこりと頭を下げる。

門を出たところで越前くんが自転車に跨った。

「越前くんってチャリ通だっけ」

「いや、先輩に借りた」

越前くんが笑う。

「乗って」

「えっ」

「その方が早いから、ほら」

ほら、と急かされカバンをリュックみたいに背負う。荷台はあるけどステップに足をかけた。少し躊躇うと、リョーマくんが振り返った。

「肩、掴まって」

そう言われ決心して後ろに飛び乗る。立ったままの体勢なので、肩にしっかり手を置いた。

「あの、大丈夫そう?」

越前くんの表情は見えないので少し不安になる。

「余裕っしょ。ちゃんと掴まっててよね」

「うん」

小柄なのに越前くんはどんどん自転車の速度をあげていく。

少し怖いかも・・・。手に力が入る。

「怖い?」

肩に籠った力に反応したのか越前くんが聞いた。

「すこし」

届くように大きめの声を出す。

「足とか、疲れたら座ってもいいから、言って。」

「うん」

怖い?の問いかけに、少し、と答えたのに彼は速度を落とさず走った。

/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp