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【テニスの王子様】私の王子様【越前リョーマ夢】

第1章 クラスメイト



「うちのクラスの図書委員、休みで、今日の図書整理頼まれちゃったんです。行ってきても良いですか?」

「もちろん。1時間くらいかしら?紅茶淹れといてあげる」

「わぁい、先輩の紅茶大好き」

「図書整理がんばってね」

「あ、ついでに先輩がリクエストしてた本、届いてるか見てきますね」

「ありがとう」

「はい、行ってきます」

元気良くがらっと扉を開くと越前くんが目の前にいた。

「うわぁっ」

「驚きすぎ」

驚くよ!もう今日は驚いてばっかり。絶対寿命縮まった。

「行くよ」

頼んできたのに、偉そう。

数歩で図書室だけど、並んで歩くだけでドキドキする。今朝までは、なんとも思わなかったのに。

後ろからバタバタと走る音がした。

「リョーマさまっ」

ツインテールの気の強そうな女の子が、越前くんめがけて走ってきた。

「小坂田…」

「リョーマさまっ今日は部活行かないの??」

ニットを引かれ、のびる、と呟きながら女の子から一歩後ずさる越前くん。

「これから委員会だから」

興味なさげにぷいと横を向く越前くん。引っ張られた袖を気にしている。

「そーなんだっ!リョーマさまっ頑張ってね!」

「うん」

目も合わせないのに女の子はめげずに会話を続ける。ほとんど独り言みたいにまくし立てる。すごい。

「あ、私もう行かなきゃ、桜乃によろしくねー」

ぶんぶん手を振って走り去ってしまった。台風みたいな子だ。

走り去ったツインテールさんを見て越前くんが小さく呟いた。

「竜崎と会う予定ないけど…」


ああ、そうだ、あの子竜崎さんとよく一緒にいる子だ。

竜崎さんは可愛らしくて、うちのクラスでも時々話題に上る。長い髪を三つ編みにしていて、大人しそうなのにテニス部に所属している。

竜崎さんも、ツインテールの小坂田さんも、きっと越前くんが好きなのだろう。ひょっこりうちのクラスに顔を出すこともあるし、越前くんと話しをしているのも見たことがある。

小坂田さんが走り去った廊下を見る越前くんを、後ろから見ていると、なんとなく寂しい気持ちになった。

もっと越前くんのこと、知りたいな。

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