第1章 店内
そこに入ってきたのは、金髪の男の子。
年齢は私と同じくらいだろうか。ピアスにタトゥー、奇抜な格好。ウタさん程ではないがやっぱり派手。
「アサ、今日も来たんだね?」
アサと呼ばれた青年は目を輝かせている。
「ウタさんが新作作ったと聞いて俺、駆けつけてきたんすよっ!」
マスクをうっとりと見つめる彼。とたんに、マスクに近い角度にいた私にアサが気づく。
「ウタさん誰ですこの女。」
「あっ……どうも」
「アサ、この子は喰種だから、別に警戒する必要はないよ。ちゃん。昔4区で一緒にいた子だね。」
「ふぅーん」
興味なさそうに私の身体をまじまじと見るアサ。
「ちゃん、この子はアサ。こんなだけど、実は女の子だよ?」
「お、お、女の子っ!?」
てっきり、男の子かと思った。
だって髪短いし、一人称俺だし、背も高いし…
「アサさん、申し訳ありませんでした…てっきり男の子かと思いまして…………」
深々と謝る。
だって女の子に男の子みたいって言ってしまったし、どう見ても強そうだし……!!