第1章 Sid~極上の女~
城下に着いてスポーツカーから降りる。
「…といってもアテも何もないの…」
私は肩を落とす。
「まぁシドがいそうなとこは
俺もいくらか知ってるから
そこから当たってみねぇか?」
私はアランの顔を見上げる。
「アラン…ありがとう…」
「あと、これ。」
ポンッと渡されたのはサングラスだった。
「城下じゃ俺でも顔知られてるからな。
お前も掛けとけよ。」
というとアランはサングラスを掛けた。
私も女性もののそれを掛ける。
てゆうかなんで女性もののサングラスが
ポンとでてくるの?
まぁアランもいろいろ遊んでるんだろうな。
アランの言うその場所に向かいながら
アランと話す。
「アラン、どうして私が
城下に行くことわかったの?」
「レオから連絡あったんだよ。
『俺たちのプリンセスがついに動くぞ』って」
アランが笑う。
「な、何それ…!」
「だってシドに会えないお前の顔。
もー王宮内の誰もが見てられなかったから。」
「そ、そんなに顔に出てた…?」
「ああ。」
アランはクスリと笑う。
「まぁ仕方ねぇよな。
お前んとこ構ってやらないシドが悪いよ。」
そういうとアランは片腕を私の前に差し出す。
「…?」
「もし見つかったとき、
見せつけてやろうぜ。
『あんまり構ってくれないから
アランとデートしてました』って。」
爽やかな笑顔で私を見下ろす。
私は少し笑みを浮かべると
「…うん!」
と返事をし、その腕に手を通した。