第2章 Xeno~偏西風~
しばらくして絞り出すかのように
聞こえてきたアヤセの声。
「ごめん…なさい…!」
「こ、こんなになるなんて…
…はしたない…ですよね…」
「…何を言っている。」
そっと…顔を隠していた手を取られた。
「ゼノ…様…」
見下ろす瞳は優しさが映る…
「俺を想う気持ちが、
お前をそうさせたなら、
俺は嬉しくて仕方がない…」
「えっ…」
そしてアヤセの耳に唇を寄せ…
「お前がはしたないと表現するのなら、
そのはしたないお前をもっと見せてくれ…」
「…っ!」
「お前のどんな姿でも
愛おしくて仕方がないのだ…」
「ほ…ほんと…ですか…?」
「ああ…この無防備な姿も…」
そのままゼノの片手が
アヤセの体のラインをなぞった。
「あっ…」
「アヤセ…」
「はい…」
「この姿をジルにも晒したのだな…」
「え…」
下着を身に付けず、
体の凹凸がわかるナイトドレス…
「あ…その…ごめんなさい…
着替えようと思ったのですが…
急いでいたようだったので…」
「…そうだな…確かに急かしたのは俺だ。
しかし…あまり感心しないな…」
「次から気を付けます…」
「お仕置き…」
「え…?」
「…というようなのは好きか?」
クスリと笑いながら聞かれた。
「ゼノ様…もう…
…でも然るべきお仕置きなら
きちんと受けます。」
それを聞いてゼノは一瞬驚くも
フッと目を細める。
「お前らしいな…」