第1章 Sid~極上の女~
次の日、午前中にジルの部屋へと行った。
そこで見たのはとんでもない記事だった。
スクープ!!
プリンセスのお相手は
いつも側でその身を守るイケメンナイト様!
アラン・クロフォード 王室直属SP!
誕生日の前日に過ごした熱い夜とは…!!
「な、何これ……」
それ以上言葉が出ない…。
そこには真っ正面から堂々と撮られた、
腕を組んで歩くアランと私の
写真も載っていた。
どっからどうみてもカップルだ。
「アランと、あとレオからも
真相を聞いていますから、
記事に書かれていることは本当ではなく、
この格好もふざけてしたということは
分かっています。
昨日あの場であなたと
シドとのことを発表しなかったのは、
このためだったのです。
昨日発表して、今日この記事が出たら、
あなたの評判はがた落ちでしたでしょうから。」
「そ、そっか…
なんかほんとにごめんなさい。」
「ほとぼりが冷めた頃にシドの役職や、あなたとのことは発表するつもりですので。」
「わかった…」
「それで、
一応、アランとあなたには謹慎3日、
レオには謹慎1日。
そのような処分をすることになりました。
よろしいですね?」
「え、あ、はい…」
そりゃそうだよね。
「まぁ今のあなたに謹慎を
言い渡したところで、
あの男が喜ぶだけですが。」
「は、はは…」
そのとき私はハッとする。
「どうしましたか?」
「シドになんて言おう…」
「……もう昨日のうちに知っていたと
思いますが。」
「えぇ!?」
「プリンセス、
彼の仕事を何だと思ってるんですか?」
「そ、そうだけど…そうだけど…」
もしかして昨日アランと
話していたのはこのこと!?
「ジル、
あのっ謹慎はわかったからもういい!?」
そう言って私はジルの執務室を後にした。