第1章 Sid~極上の女~
おまけ2
その後、
私の誕生日パーティーの機会に合わせて、
王宮からの発表の記者会見が行われた。
マスコミがたくさん来てきたけど、
このためでもあった。
私はダンスホールの控え室から
テレビを通じてその様子を見ていた。
シドは着替えに行ってしまって、
アランと一緒だった。
ダンスホールの一部に設けられた
記者会見場にジルがやってくる。
「今日お伝えすることは
これからの国政の体制についてです。」
パシャパシャとフラッシュがたかれる。
「将来的にこの国の国政は
3人の次期国王候補が全員で
担っていくこととなりました。
それに伴い、国王制度は廃止となります。」
ざわざわとした声と共に、
フラッシュの数が増え、
記者たちからは様々な質問が飛ぶ。
その質問一つ一つに冷静にジルは答えていく。
しばらくしてとある記者の質問に
注目が注がれた。
「今回プリンセスは
3人の次期国王候補から誰も選ばなかった、
ということですか?」
「そうでもありますが、
この件は以前から話し合われていた
内容でもありますので。」
「ということは、
プリンセスは他の男性を選んだ、
ということでしょうか?
そういえば今日は
グランディエ次期大公が
プリンセスのエスコートを
勤めていましたが…」
ジルがチラリとその記者を見る。
「彼はここ最近、
王宮内での活躍が目覚ましかったため、
その褒賞として今回エスコートを
命じたまでです。
今日はこれ以上皆様に
お伝えすることはありません。
それでは、私からは以上。」
書類を手に取ると、
それ以上は聞いてくるな。とばかりに、
ウィスタリアの優秀なスポークスマンは
会場を後にした。
「ジル様!待ってください!」
「プリンセスのお相手は!?」
「ジル様ー!」
そうして国民みんなが気になる
終わり方で記者会見は終わった。