第1章 Sid~極上の女~
数日後、アヤセはジャスを連れて
城の庭で散歩をしていた。
「はぁ…」
晴れて気持ちのいい庭には
似つかわしくないため息が落ちる。
「おい、大丈夫か?」
なんとなく言い方がシドに似てるけど、
声質で違うとわかる。
振り向くとアランがいた。
「ダメだよ…。」
「でも昨日会ったんだろ?
すぐまた行っちまったみたいだけど。」
アヤセの目が見開く。
「昨日のいたの?」
アランがギクリとする。
「あ…知らなかったのかよ…」
もーーー何なのよ!!!
私以外の人には会うのに、
なんで私には会ってくれないの!?
「うぅ…!」
涙がこぼれ落ちる。
「…おい…。」
「うわーん!!」
泣いたらとりあえずすっきりした。
できた彼女は彼の仕事を理解しなければ…!