第6章 一人目の闇 ~2~
『悪かったのは私』
でもな、バレット。
ルイは、立ち上がり、バレットを睨みつけた。
『お前たちが、壱番魔晄炉を爆破したことと、私たち神羅が、コレルを焼き払ったことに大差はない』
「俺らはただ…」
『綺麗事を並べるだけならいくらでもできる。復讐に取り付かれることも簡単だ』
『故郷を焼き払われる苦しみ。私にはわからない。だが、お前に私の苦しみがわかるのか?』
どちらかが正しいなんてことは、ないんだ。
静まり返った部屋の中で、ルイは小さくため息をつく。
『私は外にいる』
それだけを言い残し、ルイは出て行った。
残された一行の間には、何とも言えない空気が漂う。
「とりあえず、ルイのことは後回しだ」
きっぱりと言い切ったクラウドに、バレットは抗議した。
「あいつは神羅の手先かもしれないんだぞ!?そんなあいつをなんで…」
「ルイはそんな子じゃない。たぶん、だけど」
それにね、とエアリスは更に言葉を紡ぐ。
「今、そんなこと考えても、きっと答え、出ないよ。だって、ルイもそれ、わかってないから」
エアリスの意味深な言葉に、バレットは眉を顰める。
「今はバレットの問題、解決する方が
私、大切だと思うけどな」
その通りだ、とクラウドは大きく頷くと、ティファを見つめた。
「ティファはどう思う」
突然話をふられ、ティファは困惑したような表情になる。
が、いつもの意志の強い顔立ちで
「私も、ルイのことは後回しにする方がいいと思う」
はっきりとそう言った。
「よし、じゃあ。これからどうするか決めようか」
エアリスの言葉に、バレットも、クラウドも
レッドⅩⅢもゆっくりと頷く。
意見の固まっていく仲間を見ながら、ケット・シーはゆっくりとルイの後を追うように、部屋から出ていった。