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A Time to Love  (FFⅦ)

第6章 一人目の闇 ~2~



ケット・シーの探す彼女は、砂漠をじっと見つめていた。

「ルイさんがあないなこと言うなんて、思ってもみませんでしたわ」

おどけたような声に、ルイはゆっくりと振り返り、苦笑する。

『私だって、あんなこと言うつもりはなかったわよ』

でも、なんでだろうね。

『あの人たちには、嘘が付けない』

ケット・シーは、ようわかります、と大きくうなづきながらルイの隣に立つ。

「皆はんは、自分たちの行く道が正しいと信じとるんでしょうね。後ろを省みることが、時には必要だということも、まだ理解しておらへん」

勝者の下には、かならず敗者がいる。
それと同じだ。
神羅の起こした事件によって、得た実績もあれば、失われたものもある。
バレットたちの起こした、魔晄炉爆破によって、防げたこともあれば、失われたものもある。

それから目を背けていては、何も守ることはできない。

『私も、向き合わないといけないのよね…』

4年前、ルイはルイの中にあった小さな世界を失った。
愛するものを一気に失くし、何が正しいのか判断することができなくなった。

今でも、誰が正しいのかなんてわからない。

だが、これだけはわかっていた。

それは

『誰も悪くない』

きっと、クラウドにも、ティファにも、バレットにも、レッドⅩⅢにも、ケット・シーにも

敵に見えているものがある。

その存在が、ルイには敵だとは思えないのだ。

その存在が、悪いわけではないとルイは知っているのだ。

『誰も悪くないからこそ、みんな苦しむんだろうな』

みんな…が、誰なのかルイにはわからなかった。

ただ、そのみんなの中に

自分が入っていることはわかっていた。
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