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A Time to Love  (FFⅦ)

第6章 一人目の闇 ~2~



「オレの右腕は もう使い物にならなかった」

胸につっかえていたものを吐き出すかのような声に、ルイはわれに帰った。

「…しばらく悩んだけどよ」

苦しそうに、悔しそうに話すバレットの顔を見ることができなかった。

「オレは右腕をすて この銃を手に入れた」

なぜなら、

「オレからすべてを奪っていった神羅に復讐するための新しい右腕…」

その出来事を知っていたからだ。

「そのときの医者から聞いたのさ。オレと同じ手術を望んだ男がもう1人いるってことをな」

「ただし、そいつは左腕が銃になっている」

バレットの言葉が、自分の体を通り抜けていくようにルイは感じた。

『…すまない、バレット』

突如、ルイの口から飛び出た謝罪の言葉に、全員の視線がルイに集まった。

『何かがずっと胸の中で渦巻いていたんだ。
ロープウェイ乗り場でお前の話を聞いてからずっと』

ようやく、思い出せた。

『4年前のコレル村に、私は居た』

そうだ、あの時のことを
ぼんやりとだが、覚えている。

体を焼かれ、熱さに悶え死んでいく人々を
何の感情もない瞳で、見つめていた。

「…それ、どういうことだ」

バレットの低い声に、ゆっくりと目線を上げた。
ああ、その顔だ。
憎くて、どうしようもない、
そんな感情がありありと映し出された。

そんな顔で、彼らも。
私を、見ていた。

『私が、村を焼き払った張本人だ』

それを聞いた瞬間、バレットはルイを殴った。
容赦のない力で、殴られたルイ。

その衝撃で、ルイの体は飛ばされ、背中を壁に激しく打ち付けた。

「バレット、やめろ!!」

「何が神羅が憎いだ!結局はおまえも、神羅の人間だったんだろうが!」

もう一発、と殴りかかろうとするバレットを、クラウドはなんとか引き止める。

ルイは、殴られた際に切れた口元を、手の甲で拭いながら、悲しそうな目でバレットを見つめていた。
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