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A Time to Love  (FFⅦ)

第6章 一人目の闇 ~2~



「クラウド だいじょうぶ?」
ティファの呼ぶ声で目覚めたクラウドは、ゆっくりと体を起こし、辺りを見渡す。

「ここは?」

クラウドがそう不審にも思うのも無理はない。
サビにまみれた瓦礫が転がり、見える土肌は全てきめ細かな砂。

『サバクの監獄…コレルプリズンだ』

傍にある瓦礫の山に座っていたルイは、髪についた砂をはらいながらクラウドに言う。

「サバクの監獄?」

聞いたことのない言葉を、クラウドはオウムのように、またルイに問いかけた。

『ああ、サバクの流砂に囲まれた自然の監獄だ。
一度入ったら最期、出ることは一生不可能と言われている』

淡々と放たれる衝撃の事実に、クラウドもティファも言葉を失う。
だが、ケット・シーだけは、

「けど、たしかナンか特例があったような…」

そう言いながら、腑に落ちないと言った表情でルイを見つめていた。
その視線に、ルイは肩をすくめ、

『私だって人から聞いたことしかねぇんだ。
そもそもこんなとこに放り込まれるなんざ、思ってもみねぇよ』

呆れたように言い放つ。
さて、どうしよう。
全員がそう言いたげな雰囲気の中、ティファだけがある者を見つけた。

「バレット!?」

その言葉に、全員が顔を上げ、ティファと共にバレットの元に駆け寄る。

が、バレットの様子がいつもとは違う。
何が起こったのか理解できないという顔で呆然と足元を見つめているのだ。

その足元には

『…どういうことだバレット』

ルイのドスの効いた声があがる。
それに続いてクラウドも

「バレット…」
「あんたまさか本当に…」

信じられない、そういった様子で言葉を発した。
バレットの足元には、紛れもなく人の死んだ姿があるのだ。

『おい!なんとか言えよ!』

ルイが一歩バレットの方に足を踏み出す。

「来るな!」 

呆然としていたバレットが、突如大声を上げ、ルイを睨む。

「これはオレの……オレがカタをつけなくちゃならねえことなんだ。ほっといてくれ……」

それだけ言うと、バレットはクラウドたちが引き止めるまもなく去っていく。

その後ろ姿を見送るケット・シーは、

「ヒョーッ! あの人も、みなさんのお知り合い? なんやアブなそうな人やなぁ~」

と、楽観的な声をあげた。
 
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