• テキストサイズ

A Time to Love  (FFⅦ)

第6章 一人目の闇 ~2~



「お前らがやったのか!?」

部下ふたりを引き連れたディオは、信じられないと言った顔でクラウドを見る。

「ち、ちがう、俺たちじゃない!」

必死に弁解しようとするが、この状況で誤解しないほうがおかしいだろう。
ケット・シーはそれを感じ取り、

「はよ逃げな、やばいで」

いち早く闘技場の奥へと逃げていく。


「お、おい!」

クラウドたちもそれに続き、ケット・シーの後を追うように闘技場の奥にあるグラウンドへと向かった。
しかし、それをディオが見過ごすわけもない。

「捕らえろ!!」

闘技場の奥。
そこにはグラウンド以外に何もない。
行き止まりというやつだ。
 
「ここまでだな」

「まて、話を…」

ジリジリと滲み寄ってくるディオ。
それに比例して、クラウドも一歩、また一歩と後退りをする。

『っクラウド!!』

ディオに気を取られていたクラウドは、ルイの叫び声で我に返る。
まずい、と思い振り向くが、クラウド以外のメンバー

ルイ
ティファ
ケット・シー

3人は捕まってしまっていた。

「あと、1人だな」

3人を捕まえたのは明らかに侵入者用に作られたとみられる兵器だった。
遠隔操作になっているのだろう、ディオの部下である男が、ディオの言葉に返事を返す。

「おい! 少しは、こっちの話を聞け!!」

クラウドはなんとか誤解を解こうと、必死にディオに呼びかけるが、その呼びかけに応じるほどディオは愚かではなかった。

「聞くことはない。下で、罪をつぐなうのだ!!」

ディオはキッパリとクラウドにそう言い切ると、部下に冷淡な声で命じる。

「やれ」

「はい」

その言葉を待っていたかのように部下は手元にあるスイッチを押した。

途端に、クラウドたちの足場が消え去る。
どうやら、そのスイッチは兵器を操るためのものではなく、グラウンドの真ん中に設置してある落とし穴を作動させるものだったのだろう。

クラウドたちは為すすべもなく、兵器に拘束されたまま暗闇へと姿を消した。
 
/ 62ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp