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A Time to Love  (FFⅦ)

第5章 一人目の闇


そのまま通り過ぎようとするケット・シーを捕まえようとしたが、突然現れた神羅兵に阻まれる。

『!?』
「ルイ・レオニカルさんですね。一緒に来てもらいます」

一人の神羅兵がルイにそう告げた。

『リーブ!』
「ち、違いますで!?ボクはなんも・・・」

ケット・シーも慌てている。
どうやら、これはルーファウスの差金のようだ。

「社長がお呼びです」
『行かないと伝えてくれる?』
「無理矢理にでも連れてこい、とのお達しですので」

二十数人程度の兵士に囲まれ、銃口を突きつけられているルイ。
周囲からは悲鳴が上がる。

「もう一度言います。社長がお呼びです」

神羅兵が、今度はゆっくりとした口調でルイに言い渡す。
ふぅ、と肺に溜まった重苦しい空気を吐き出すと、ルイはガンブレードを引き抜いた。

「それは、抵抗ととってもよろしいのですか」
『ええ、私はルーファウスのところには戻らない』

ルイが言い終えたと同時に、一気に銃声が鳴り響く。

「ルイさん!!」

リーブの心配する声は、ルイの耳には聞こえてこなかった。

銃弾が当たる前に、全ての弾を切り落とす。

そんなことは人間には無理。
だが、ルイは、あのおぞましい実験で創り出された人間。

造作もないことなのだろう。

一瞬だけ、弾幕が薄くなったところをルイは見逃さなかった。

ガンブレードに装備していたマテリアに魔力を集める。


すると、ガンブレードからは、三つの火の玉が生み出された。
それと同時に、ガンブレードの刃の部分が凍りつく。

火の玉が神羅兵にぶつかる前に、ルイはその氷の刃で全て切りつけた。

「うわっ!?」

その途端、ガンブレードの刃を覆っていた氷が一瞬で溶ける。
氷が蒸発し、大量の水蒸気へと変わった。

その場は、一気に白い霧でいっぱいになった。

視界が悪く、相手の居場所を察知できない神羅兵は銃を乱射することもできず、ただその霧が晴れるのを待つ以外に手立てはなかった。
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