第5章 一人目の闇
『・・・ここに来るのは初めてかぁ』
ぼそりとルイは呟いた。
ルイの居る場所はワンダースクェアの広場。
デブチョコボがうろついている。
『ルーファウスに聞いてはいたけど・・・やっぱ凄ぇ』
そのまま建物の内部に入ろうとしたルイ。
だが、それはぬいぐるみによって阻まれた。
「ヘイ・ユー!暗い顔してますな~」
『・・・はぁ?』
デブモ―グリに乗った、可愛らしいネコの人形。
おまけに、手にはメガホンを持っている。
「どうですか~? みなさんの未来占うで~」
「明るい未来、ゆかいな未来! あっ、ひさんな未来が出たらかんにんしてや~!」
「あらら、すいません! ボクは、占いマシーンです。名前はケット・シー言います」
怒涛の勢いに、さすがのルイも若干引き気味だ。
頷きながら、返事をすることも不信感を抱くことも忘れている。
『えっと・・・』
「そや!折角やし、お嬢さんの昔されていた仕事でも当てましょか」
ケット・シーはそう言うと、「ほな、いきまっせ!」と意気込んだ。
それから、デブモ―グリが動き出す。
占いをしているのだろう、かなり奇妙な光景だ。
そして、しばらくして手渡されたものを見て、ルイは凍り付いた。
それは、占いの結果などは書かれていなかった。
ルイに手渡された物は一枚の写真。
ルイは腰に下げている、ガンブレードに手をかけた。
『あんた・・・』
「・・・久しぶりですな、ルイさん。いや~、こんな所で会えるとは思っても見ませんでしたわ」