第5章 一人目の闇
テンションMAXのルイを見て、段々とバレットの怒りが込み上げてくる。
そんなバレットにエアリスが声をかけた。
「うわ~! 楽しまなくっちゃ!」
「そんな場合じゃないのはわかってるけど、ね」
「ね、バレットも元気だして!」
反論を許さないかのように三連打で叩きつけられる言葉に、バレットはしょげたように言葉を返す。
「・・・そんな気分にはなれねえ。オレのことは放っておいてくれ」
「そ~ぉ? 仕方ないね」
バレットに冷たい返事をエアリスは返すと、クラウドとルイの元にエアリスは駆け寄った。
「クラウド、ルイ行こっ!」
またバレットの機嫌を損ねる。そう思ったのか、ティファはエアリスと小声でやり取りを始めた。
「エアリス! ちょっとひどいんじゃない?」
「こういうとき、ヘンに気をつかわないほうがいいよ」
「そうかな・・・」
そしてそのやり取りにすら気づいていない人物が一人・・・
『レッド!あれあれ!』
「・・・キャラが変わっていないか」
『んなことねぇよ!!』
キャッキャッと走り回るルイ。
レッドⅩⅢは呆れたように見守る。
いきなりルイは思い出したかのようにバレットに駆け寄ると、火に油を注いだ。
『お前、来ないんだろ?せいぜいセフィロスが来るまで待ってるんだな』
ピキッとバレットのこめかみに青筋が浮き出す。
『遊べるときに遊ばねぇと、老けるぞ』
最後の言葉が引き金となった。
溜まりに溜まっていた怒りが爆発する。もちろん、ルイに向けての・・・だ。
「勝手にしろ! チャラチャラしやがってよ!」
「オレたちはセフィロスを追ってるんだぞ! それを忘れるんじゃねえ!」
そう吐き捨てると、どこかに走って行った。
『んなに怒んなくてもいいじゃんよ』
ぶぅっと頬を膨らませ、バレットの後ろ姿を見送るルイ。
その姿は5歳児のようだったという。