第5章 一人目の闇
「神羅の軍? いったいの何のために!?」
クラウドがそう聞くと、それにはバレットではなくルイが答えた。
『魔晄炉での爆発事故を押し付けたんだよ。うまいこと、反対派のしわざだとか言ってな』
「ひどいっ!」
ティファが声をあげたが、バレットは淡々と言い進める。
「ああ、たしかにな。でもよ、オレは神羅以上に自分を許せなかったんだ。オレさえ魔晄炉に賛成しなければ・・・」
『…仕方ねぇだろ。神羅には口のうまいやつが山ほどいんだ』
冷静にそう言い切ったルイは顔を曇らした。
『すまねぇ…神羅だった奴に言われたかねぇよな』
「いや、いいんだ。お前は悪くねぇ」
バレットはルイに声をかけたが、ルイの表情は暗いままだった。
何かを忘れているような気がしてならなかったのだ。
しかし、いくら自分の記憶をたどっても
その忘れたものは出てこない。
その後、ロープウェイ乗り場の係員が声をかけてきた為、ルイは思考を一旦停止させ、ゴールドソーサー行きのロープウェイに乗り込んだ。