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A Time to Love  (FFⅦ)

第5章 一人目の闇


若干ホクホク顔のクラウドをルイが睨みつけながら大きく長い、吊り橋を渡っていく。

『・・・案外たけぇ』

睨みあいをピタリと止め、不安げに橋の下を覗き込む。
そんなルイを見てクラウドは、何か考え付いたように橋を軽く揺らした。

『わっ!?』

案の定ルイは橋のロープにしがみ付いた。
そのままの体制でぎろりと確信犯を睨む。

だが、その眼は微かに潤んでおり、ルイが高い所が苦手だということは明らかだった。

「怖いのか?」
『うるさい!ビルとかそういう建物は平気なんだよ!ただ・・・足場が不安定なのは嫌いなだけで・・・』

最後の方になるにつれて、徐々に声が小さくなるルイ。
そんなルイをさらに怖がらせるようにクラウドはわざと乱暴に、そして悪ノリの良すぎるエアリスもパタパタではなくバタバタと吊り橋を駆けていく。

その揺れに怖がるルイをティファは苦笑しながら、先に行くように促す。

「大丈夫?」
『だ、大丈夫なわけねぇ・・・ぎゃああ!!』

突風が吹き、ルイはしゃがみこんでしまう。

「ルイ、ほんとに苦手なのね」
『見ればわかるでしょ…』

また、口調が戻った。
クラウドはそう思い、ほんの少し微笑んだ。

『なに!?』
「いや・・・ほら、いくぞ」
『うっせぇ!!命令すんな!』

拗ねてしまったルイをクラウドは可笑しそうに笑う。
それにまたルイは怒ってしまい、悪循環となってしまっていた。

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