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A Time to Love  (FFⅦ)

第4章 再会


ルイの背を擦りながら、クラウドはティファとエアリスに問うた。

「あそこの男、神羅の宝条よ!」

ティファの言葉に、クラウドはルイを見た。
わずかに震えており、その姿は先ほどまでの彼女とは違った。
おそらく、これが彼女の本来の姿なのだろう。
クラウドはルイの頭を撫でる。

「あんたはここにいろ。わざわざ辛い思いをする必要はない」

その言葉にルイは素直に頷いた。
クラウドはそんなルイを見ると、そのまま宝条の方に歩み寄って行く。

「あら!何か御用?」

水着のギャルにクラウドはそう聞かれたが、

「そこの男に用がある」

と冷たく突き放した。

「ねぇ、宝条博士~。こわい人が、用があるって~」

と水着のギャルは猫なで声で宝条に呼び掛ける。
宝条は、

「いまいそがしい」

そう言って、クラウドの方を見向きもしない。

『久しぶりだな、宝条』

そんな宝条を呼んだのはルイだった。
宝条は顔を上げると、ルイを見てニヤリと笑う。

「おやおや・・・・・神羅カンパニー社長夫人ではございませんか」

ルイはその一言に怒りを露にする。
腰に差していたガンブレードを引きぬき、宝条に銃口を向けた。

『ふざけるのも大概にしろ。お前の目的はなんだ?』

宝条はその言葉に鼻で笑う。

「君と同じと思うがね?」
『セフィロスか・・・・・・』

ルイは銃口を下ろした。

「君たちは会えたのか?そうか・・・・ふむふむ」
『いい加減にしろ、折角可愛い実験体が会いに来てやったんだぞ』
「プロジェクト・Dの実験体・・・・・ルイ・レオニカル」
『運命だなんて・・・・・よくぞまあ思いついたもんだ』

プロジェクト・ディスティニー。
通称プロジェクト・Dと呼ばれる実験だ。

その実験は、人間の中にジェノバ細胞と呼ばれる、宇宙からの災厄「ジェノバ」の細胞を埋め込み、子供を産ませる。

その子供が驚異的な力を持ち、成長するといった、人造人間を作り出すプロジェクトだ。
それの唯一の成功者。

しかし、科学的には成功作であっても、
ルイは神羅にとっては失敗作だった。

ルイは今までの成功者とは違い、劣化をしなかった。
だが、彼女は誰の命令で動く事も無く、自身の意志で動き、判断するのだ。
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