第4章 再会
「私ね、ほんとは・・・ツォンに聞いたんじゃないの」
エアリスはビーチに向かいながら、ルイにそう告げた。
『わかってる。ザックスだよな?』
「うん。一番の親友で、美人で強くてかっこいいって聞いてた」
『期待・・・裏切ったな』
ルイは苦笑する。
ルイは昔、こんなにも口が悪かったわけではない。もちろん、良い方ではなかったが、辛うじて女としての喋り方は残していた。
ルイが変わったのはザックスが死んでからだった。
ザックスになるべく似せた喋り方で、彼の事を忘れないように・・・・・そして、何もできなかった自分を忘れ去ろうとしたのだ。
「ううん、むしろびっくりした。ザックスの言ってた通りで」
『そうとは思えないけど』
それからほんの少しザックスについて話した。
彼の好きな色、誕生日、趣味、女癖の悪さ・・・。
だが、彼の消息についてはどちらも話題には出さなかった。
エアリスは既に気付いているのだろう。そして、ルイもエアリスに尋ねられるまでは、言うまいと思っていたのだ。
「ねえ!エアリス!あれ見て!」
先に行っていたティファがエアリスを手招きする。
「どうしたの?ティファ」
「あれ・・・・あの人・・・・・」
ビーチで女の子に囲まれているのは、神羅科学部門総括の宝条だった。
ルイはその姿を見た瞬間、顔の血の気が引いた。
『宝・・・じょ、う』
「ルイ!?大丈夫!?」
全てを奪った男。
いつからか、彼を見るだけで気分が悪くなる自分がいた。
それは、ルイ自身もコントロールできない。
『っ・・・』
そのまま膝から崩れ落ちそうになる。
ところが、その体は誰かに支えられた。
「どうした?」
その体はクラウドによって支えられていた。
『あ・・・クラウド?』
「大丈夫か?足に力が入っていないぞ」
『・・・ありがとう、もう、平気よ』
クラウドの胸を押し、ルイは自分の足で立った。
「なにかあったのか?」