第3章 行く先には・・・・・
結局決めることの出来ないままバイクをおし、歩いていく。
タークスとしての功績は華々しいものではあるが、顔はほとんどの者には知られておらず、このように自由に行き来することはできる。が、新社長・・・・・ルーファウスが居るとなるとルイにとって話は別問題だ。
『ぜってぇ見つからねえようにしねぇとな・・・・・・』
ルイはルーファウスの婚約者。だがそれはルイが了承しているわけではなかった。
幼馴染として信頼はしている。
しかし、ルイにとってどうしてもルーファウスを許せない出来事があった。
ルーファウスが悪かったわけではない。
誰かが悪かったわけではない。
だからこそ、ルイは許せなかったのだ。
『早いトコ行き先決めねェと・・・・』
そんな時、横切った兵士たちから妙な噂を聞いた。
「黒マントの男が街をうろついてるのに発見できないんだ」
ルイはその言葉に立ち止った。
頭の中では黒マントという単語が渦を巻いている。
『セフィ・・・・ロス?』
ルイがその言葉を発した。その時、一人の兵士がルイの方を向いた。
だがルイは気付かずそのまま立ち去って行った。
その兵士はヘルメットを取り、ルイの後ろ姿を見た。
その兵士は、金髪で青い魔晄色の瞳、端正な顔立ちをしている。
彼の名前はクラウド・ストライフ。
ザックスのバスターソードを受け継いだ青年。
星を巡る戦いに首を突っ込んだお尋ね者。
そして彼は、ルイと同じようにセフィロスの存在を知っていたのだった。