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A Time to Love  (FFⅦ)

第3章 行く先には・・・・・



どこからともなく歓迎式典の音楽が流れてくる。
琥珀色の長い髪を持つ女は、自身のバイクに燃料を入れながらうさんくさそうにその音楽を聴いていた。

『うっせぇな・・・・・ったくアイツもよくぞまぁこんなに出世したもんだ』

女・・・・ルイ・レオニカルという旅人は苛立ちを漂わせるように言い放つ。彼女の言う「アイツ」とはこの騒ぎを起こしている神羅カンパニー新社長のことだ。

神羅カンパニーというのは、元は兵器開発をしていた会社だったが、魔晄エネルギーというものを発見しそれを供給しながら大量に儲けている大企業だ。

だがその会社は表受けはいいが、会社の不利益になるものは排除する。そんな残酷な会社である。

また、魔晄エネルギーとはまだはっきりとは詳細が解っておらず、一部の仮説としては星自体のエネルギーらしい。

女もまた、この会社で働いていた一人だ。
総務部調査課・・・・通称タークスで腕利きのエースとして働いていた。
総務部調査課と聞こえはいいが、実際の仕事は暗殺や密偵という汚れ仕事だ。無論、その人材は全て選りすぐってあり、だれしもがなれるというわけではないのだ。

満タンを知らせる機械音が鳴り、女は手を止めた。
もちろんこのバイクも魔晄エネルギーによって動作している。

『あ~・・・・うるせぇ・・・・何でこんな時期に来ちまったんだろうな・・・・』

ルイは実は追われる身でもある。
タークスという仕事は死ぬまで辞めることは許されない。

バイクに跨るとエンジンをかける。
落ち着く重低音を聞きながらルイは向かう先を決めていた。
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