第3章 ※酒を飲まなきゃやってられない
飲んでて気づかなかったけど、宗近もいつの間にかグラスを持ってきていてワインを飲んでいる。
「ワイン飲めるんですか?」
「まぁ嗜む程度でな。それから敬語は使わなくていい」
「はーい。にしても美味しい」
「主の名は佳奈と言ったか」
「うん」
「佳奈と呼んでも良いか?」
「いいけど、なんでいきなり?」
「佳奈」
彼の方を見るとがっつりと目が合う。目には三日月があってとても綺麗だ。その瞳に見惚れてると彼の顔が至近距離にあって、唇に柔らかいものが当たる。数秒動けずにいるとそれは離れた。
「目を開けたままとはな」
え、まって、今何した
もしかしてキスした!?!?
頭の中はそれでいっぱいでパニックだ。
「足りないか?」
突然のことに答えられないでいると今度は角度を変えて、まさに口吸いという表現が似合うものをしてきたではないか。
目をつぶると頭を手で覆われ舌が口の中に入り、舌と舌が触れ合って一瞬電流が体を駆け巡った感覚がした。
彼はそれを見逃さず、頭を覆っていない手が頬を撫で、下へと降りて着ていたTシャツの上から胸をなぞられる。