第3章 ※酒を飲まなきゃやってられない
後ろから主!なんて声が聞こえたけど気にせずに散策を開始する。
キッチンという言葉は似合わない、むしろ台所という言葉が似合う所に辿り着いた。
そうだ!酒!酒探そう!
私の思考回路は酒でいっぱいになる。こういう時酒に対して単純でよかったと思うしかない。
冷蔵庫を開くと好きな缶チューハイが入ってた。
うーん、とりあえず葡萄と桃にしようかな
お、ワインあるじゃん!おつまみまで!
チーズとスナック菓子まで!
この本丸最強かよ……
お酒とつまみを持って、誰もこなそうな静かな縁側があったから、そこに腰掛けて酒盛りを始めた。
チューハイ2缶を飲み終わって、つまみを食べてワインを開けて一口飲んだところで手に持ってたワインの瓶を誰かに奪われた。
「これが、ワインというものか」
奪われた先を見るとじじいがいた。
「じじい返してよー」
「酔いすぎだぞ?それからじじいじじいって酷いな」
「じゃあ、宗近、返してよー」
「ふ、真っ赤だな全く。その缶も飲んだのか?」
「飲まなきゃやってられないんでね」
「そうか、なら返す代わりに少し付き合ってもらうかな」
彼はそう言って私の隣に座る。
距離が近い!
なにこれ密着してるし肩ぶつかってる!!
距離感!!!プリーズ!!!
「体が熱いな、ほれ」
「冷たっ!」
「はっはっは、飲め飲め」
ワインの瓶をほっぺにくっつけてきてとても冷たかった。マイペースさんに乗せられて飲んでいると、彼は私のグラスが空くと継ぎ足してくれた。
あれこれ普通逆じゃね?なんで酌されてんだろ?と思うもワインの美味しさに舌鼓を打つ。
この時の私はアルコールというものに酔わされていて、宗近の表情がニヤついていたなんて思ってもみなかった。