第24章 扇子とあの子
「主様、ぐすっ、無事で良かったです」
「五虎退泣かないで。わたしは大丈夫だから!ほらほらお菓子食べよ!」
一番に抱きついてきた五虎退の手を握って、みんなも各々の座っていたところに戻った。
「大将、そういえば薬研からこれ預かってたの忘れてた」
厚くんがそう言いながら隣に来て、なにやら小瓶を渡してきた。
「なにこれ?」
「オレにはよくわからないけど、なんでもこれ飲めば体力とかいろんなのが回復するらしいぜ?あ、一人の時に飲めってさ。まだ試作品だから何が起こるか分からないらしい」
小瓶を受け取ってマジマジと見た
オレンジ色だけど味はオレンジなのかな?
薬研くんのことだから凄い苦いとか??
てか一人の時に飲めってかなり怪しすぎね???
しかも試作品って……
いやでも私のために作ってくれたんだからしっかり飲まないとダメか
「厚くんありがとう。薬研くんにもしっかりお礼に行かないとね」
「おう!」
小瓶を近くの棚へと置いて、みんなとワイワイ楽しみながらお菓子を食べ時間が過ぎていった。