第23章 演技が上手いと怖いときがある
「主、ここの部屋へ小狐丸と石切丸と太郎太刀が来る前、誰が来ましたか?」
「長谷部さんですけど……何かありました?」
「やはりそうですか…貴方に言うべきかそうでないかと迷いましたが…あの長谷部はこの本丸にいる長谷部ではありません」
え?どゆこと?
長谷部さんがわたしの本丸の長谷部さんじゃない?
意味わかんないんだけど
「…じゃ、じゃあ、私の本丸の長谷部さんは、どこへ?」
「落ち着いてください。長谷部は無事です。ですが、今は手入れ中です……それから貴方の霊力のほとんどがその長谷部によって奪われてしまいました」
え、なにもう意味わかんないんだけど
キスした長谷部さんは私の本丸の長谷部さんじゃなくて、他の本丸の長谷部さんだったったこと?
やだなにこれ怖いしホラーじゃん
「その長谷部さんはどこへ?」
「中条悟の長谷部だった為、政府に引き渡しました」
「えっ、なんで、全部ほかの本丸へ移ったはずじゃ………いつから…いつから入れ替わっていたんですか?」
「どうやら宴の後からだったようです。貴方が酔いつぶれて丸々二日も寝ている間に入れ替わっていたと聞きました。気づかなかった僕にも非はありますが、それだけあの長谷部は演技が上手かった…中条の長谷部は機動力を活かして後を追って機会を伺っていたみたいです。そして長谷部に重傷を負わせ入れ替わったと」
「そんな、わたしのせいだ……わたしが全部引き起こして長谷部さんに怪我を負わせてしまったってことですよね。皆主は悪くないっていうけど、結局わたしが何もかも悪くて……」
この本丸に来てから泣いてばっかだ。
情けないな…ここでも迷惑かけるなんて。