第23章 演技が上手いと怖いときがある
「…ま…さ、ま……しさま、ぬしさま!」
「…っ、はぁ、はぁ……」
声が聞こえて目を開けるも呼吸をするので精一杯だ。
目の前には小狐丸と石切丸と太郎太刀がいる。
「主、これをお飲みください」
上半身を起こされて太郎太刀にコップに入った透明な液体を渡され、何が入っているのか怖くて戸惑っていると口に流し込まれる。
「清めた酒だから害はないよ。それから、少しの間主には霊力が低下しているからこの部屋から出ないでほしいんだ」
石切丸さんの言葉が理解できない,
霊力が低下しているってどういうこと?
なにがあったの?
全く理解ができないままいると、3人は少し用があると言って部屋を出て行った。
霊力って低下するもんなの?
ていうか私に霊力なんてあったのか……
そういえばゲームで審神者の力によって顕現する刀剣男士とかいう設定あった気がするけどその力が霊力的なやつか?
いやそれ低下したらダメなやつじゃね?
「主、入りますよ」
「はい、どーぞ」
襖の外から声がかかって了承すると、宗三左文字が入ってくる。
「凄く魘されていましたが、なにか嫌な夢でも?」
「……元の世界での仕事の夢見てしまって…」
「そうですか。多分霊力が低下しているから悪夢でも見たのでしょう。隣座ってもいいですか?」
彼はそう言って起こされたまま布団の上に座っている私の隣へ来た。