第23章 演技が上手いと怖いときがある
「…きろ!…水無月!起きろ!」
「…んっ、え?は?えっ??」
「何寝てんだよ!会議の途中だろうが」
「…す、すみません」
「ったく、本当に使えない奴だな」
全く状況が読み込めない。なぜかスーツを着て会社の会議室にいて、辺りを見回すと顔見知りの人たちが私を見ながらコソコソ何かを言っている。
「今日はここまでにしましょう。では、残業が無い方はもう今日は帰社してくださお」
その一声にみんな一斉に立ち上がり、早足に会議室を後にして行った。なにがなんだか状況が掴めず、手元にあった資料を見る。私以外居なくなった会議室は、ただ資料をめくる音が鳴るだけだ。
なにこれ
全くついていけないし
というより私クビになったよね
なんで?てか本丸は?刀剣男士たちはどこ?
資料をまとめて会議室を出て、自分の部署に戻ってみるともう誰もいなかった。デスクには何も置かれていなくてまっさらな状態だった。
意味わかんない、なんなのここ?
そう思っていると床が崩れ去って暗い暗い闇へと落された。