第22章 不意打ち
ん、苦しい
でも嫌じゃないし、あったかいから嫌な気がしないけど気になる。
脳内で起きるか起きないか迷うも、結局目を開けた。
え?なにこれ
てか思い切り抱きしめられてる!?!?
腕枕されてたはずなのにこれはやばい
純粋にやばい
「んっ……」
悶々としていると彼は目が覚めたらしく固まっていた。わたしは試しに抱きしめ返してみた。
「ふふ、長谷部さん、嫌じゃないので謝らないでくださいね」
「…俺という奴は……………主にそのようなことを言わせてしまうとは」
「だから、嫌ではないんですよ?」
目を見ながらそういうと視界が暗転した。
彼の手が私の目を覆ったからであったことに理解するのに少し時間がかかった。
「誘っているのですか?そうやって他の刀剣と交わってきたのですね」
「え?いや、あの」
「本当に罪深いですね。巫女の服をかたどったものを召して丈の短い裾から足を晒して俺に絡めるなんて…とんだ淫乱なお人だ」
「そ、そういうわけじゃ…だってこの服しかなかったんですよ?いつもの服に着替えようとしたら、服がなくなってて…」
「だからといってそのようなもので男の前に現れるとは襲われても文句は言えませんよ」
視界を遮られていて状況が全く掴めなかったのに、リップ音が響いたのがわかった。