第18章 宴も酣
岩融に立たされて部屋を出た。
みんなが待っているであろう部屋へ向かうと、ワイワイと楽しそうな声が聞こえる。
そして岩融が襖を開けるとパンッパンッという破裂音が聞こえて、何事かと思ったらクラッカーが鳴ったんだと理解するのに少し時間がかかった。周りを見渡すとみんな笑顔で私を見てた。
おかえりなさい主
という幕がかかっていてびっくりした。
「さぁ大将、ここへ」
「早く来て」
薬研と鯰尾くんに言われたが、でも私は部屋の中へ入ることが出来なかった。
本当は一人でいたいのに、今になって食事は全員揃ってするという決まりがあることを憎んでしまう。
皆は主と私を慕ってくれて、こんな宴を開いてくれているのに、私はそんなことを心の中で思っていてとても自分が醜く見えて仕方がない。
「あんた、醜いって今思っただろ」
「えっ、なんで」
「あんたより俺の方が醜いだろ。俺は写しだから」
「なにを……貴方は醜くなんかない。写しなんて関係ない。私の山姥切国広は貴方1人しかいないの。そんなこと言わないで」
「俺の主はあんたしかいない。だからあんたは醜くなんてない。一人でいたいだろうが、決まりは決まりだ」
まんばちゃんは私をじっと見たから私も見返すと、そのくらい元気なら大丈夫だと言われ、気づいたら厚くんと前田くんに腕を引かれて、席へと着かされた。