第2章 現実逃避したい
ハッとして目が覚める。
寝ていた間見た夢は、何日間も無断欠勤して久しぶりに出勤したら上司に怒られ会社がクビになった夢だった。
そして私の左右の掛け布団が膨らんでいる。確認すると乱藤四郎と秋田藤四郎が寝ていて、その近くに一期一振が座って寝ていた。
3人を起こさないように部屋を出る。部屋を出るとすぐそばに、燭台切光忠が座って寝ているではないか。
そーっと音を立てないように離れて本丸を散策することにした。
歩いていると部屋が何部屋もあって気になって一つの部屋を覗くと、次郎太刀と宗三左文字が寝ていた。
なんでこの2人がと思ったら仕事が終わって帰りの電車で手入れをしたこと思い出す。そしてほかの部屋に行くと鍛刀するところにたどり着いた。
中に入って襖を閉めて椅子があったから座り、やっと1人きりになって少し安心した。
「こんなところで何をしている」
私の後から声がする。
「その声は山姥切国広くん?」
「あぁ」
「精神統一的なものですかね?」
「そうか……主は写しである俺が嫌いか?」
「えっなんで?」
「全然部隊に入れてくれないじゃないか」
痛いところを突かれた……。
嫌いじゃないしましてや初期刀なんだけど……いろいろやっていくうちにこの初期刀であるまんばちゃんのレベリングを全然していなかったのだ。
本気で悪いと思ってるけどこの状況はやばい。
「ごめんなさい、本気で悪いと思ってるけど、まんばちゃんのこと好きだから!嫌いじゃないしだって私の初期刀ですよ。私ゲームが好きで始めたから刀もまだわかってないし写しとかよくわかってないけど!でもこれから理解していこうと思ってて、なんていうかその……」
「もういい。主、ありがとう。嫌いじゃないなら安心した」
まんばちゃんごめんよ……もう懺悔会じゃないか……
よし今日は一人飲みしよう。そうじゃなきゃやってられない……
「主、こんなところで何をしてるのかな」
また1人鍛刀するところに入ってきた。