第17章 温もり
「主は無事に着けましたかね?」
「着けただろうよ、っと、あぶねぇ…」
「同田貫君、一期さん、喋りながら戦うとスキが見えちゃうからねっ。よし、キリのいいところで僕達も引き上げよう」
「そうですな、早く帰って主を安心させてあげなければ」
「そうだな!ちゃっちゃと片付けようぜ」
佳奈の刀剣たちは圧倒的な強さだった。足元には中条の本丸の刀剣達が、何振も気絶して倒れている。
各々が相手と一対一で戦い、気絶させると一人ずつ早足で自分たちの本丸へ戻った。
「全員無事だったかい?」
「うん、無傷で済んでるけど、主は?」
本丸へ一番に燭台切が戻ると石切丸が出迎えた。
「今、次郎太刀さんにお風呂へ入れてもらってるところだよ。凄く泣き喚いていたけれど…」
話をしてる途中で長谷部が戻ってきて、そして残りの刀剣たちも戻ってきた。
「あんなことをされていたのだ。精神的にくるだろう。俺でさえ見た時は吐き気がしたものだ。主はもっと辛かっただろうに……何はともあれ責めるのは駄目だ」
「そうですね。主はとても、不安定な所がありますからね」
「とりあえず疲れたから、俺は少し寝てくる。主によろしく言っといてくれ」
「私も少しばかり失礼します」
同田貫と太郎太刀はそういうとそそくさと中へ入り自室へと行った。
「さぁ、中へ入って食事にでもしようか。皆お腹空かせているだろうし」
「そうだな。主にも元気になってもらいたいものだ」