第15章 ※何処へ
「ねぇ今助けてって聞こえなかった?」
「はい、聞こえました…主様の声みたいだったような……」
「一兄、あるじさんの声聞こえた?」
「………うん、ちょっと席外すから乱と五虎退はちょっとここにいなさい」
嫌な予感がする。もう外も暗くなってきているのに主が帰ってこないらしい。
そしてさっき主みたいな声で助けてという言葉が頭の中に響いてきた。
どうやらこの本丸の皆も聞こえたらしい。燭台切と三日月の元へ向かおうとしたら向かいから丁度2人が歩いてきた。
「君も?」
「あぁ、まさかと思いまして」
「主は拉致された可能性があるな…帰ってくるのが遅いと長谷部が言っておった」
「事情を知っている私達で主を迎えにいくしかないですね」
「でも、もしほかの本丸へ居たら偵察強い人を連れていかないと」
「弟たちにはちょっと…………」
「長谷部に頼めば良いではないのか?やつは機動も早いし偵察も強い」
三日月の一言で決まりだった。
「長谷部くん!主、迎えにいくよ!」
「なにをいきなり」
「ここは力を貸してください。私達だけでは無理なんです」
「この通り俺からも頼む」
三人に頭を下げられちゃ断れなかった。
そして光忠は一応朝の出来事を話し、陸奥守は他の部隊に配属された為、遠征に行っていて居なかったので、同田貫、石切丸、太郎太刀にも頼み込み行動することにした。