第113章 ドッキリは心臓に悪い
「明石さん、これからもよろしくお願いしますね」
胸に顔を埋めてそう呟くように言うと頭をポンポンされた
「さて嬢ちゃん、そろそろ山姥切が大変なことになるぞ」
日本号の声が聞こえ、布が取り払われて私は彼に抱えられてそのまま背中を預けるように座る
「なにしとりますん。せっかく主はんと戯れるチャンスだったのに」
「「戯れる必要などない」」
国広と長義がハモリ、互いに顔を見合わせて愕然とした表情を浮かべる
「仲が良いことはいい事だと思うぞ兄弟!」
「兄弟の言う通りだよ!長義さんも兄弟も、もっと仲良くなるべきだと思うんだ」
そんなやり取りを微笑ましく見ていると日本号さんが髪の毛をワシャワシャという効果音がつくくらいの勢いで撫でてきた
「さて主、飲むぞ」
問答無用でおちょこに入った酒を口に当てられ流し込まされた
「日本号、主が苦しそうです。こちらに来なさい」
宗三さんは日本号の膝の上にいる私を解放して隣に座らされる
「まったく、貴方もいい歳なんですからもう少し節度を持ちなさい」
「歳のことは言わないで………私は永遠の20歳だから」
「主、それは厳しいよ」
「女はいつまでも若くいることが大切だよ!アタシはそう思う」
「鯰尾くん…次郎さん、そうだよね…歳とるのが嫌だ。誕生日なんて来なくていい!!」
「…誕生日?主はいつ誕生日なのかな」
「たしかに本歌の言う通りだ。気になるな」
そうだ、誕生日明日だ。すっかり忘れてた……
だが今ここで言うと初期刀のまんばちゃんと過ごしてきた日数の方が長いからなぜ最初に言わなかったんだと言われそう
言えるわけない
「いつだっけかなー……あはは、覚えないや」
そういうと質問してきた長義の顔が固まった
「ここにいる期間が長かったから、忘れてしまったならそれは非常に良くない……君は人間だ。神に近くなってしまっては駄目だ」
周りの刀剣もみるみる顔が青ざめていく