第14章 事案
団子とお茶が運ばれてきて手をつける。
なにこれ凄い美味しい。やっぱ甘いものは最高だわと思いつつ周りを見渡すと、やはり刀剣男士と審神者の組み合わせが多くてカップルみたいだった。
女の審神者多いし男の人なんて2組くらいしか見てないし、凄いなんか私惨めすぎな気がしてきた。
周り2人組とかで一人で来てるの本気で辛すぎじゃね?
ここに来る前の元の世界でも最後は彼氏いなかったし、ここに来たらきたで昔と変わらないしもう嫌になっちゃうし、なんでこの世界に来たんだろう。何のために私は呼ばれたんだろう。という疑問がグルグルと頭の中で回っていると声をかけられた。
「すみません、あちらの席で一緒にどうですか?」
!?
え、何新手のナンパ?
顔を上げて相手の顔を見ると、同世代くらいの男の子とその隣に刀剣男士がいた。
「え、あ、」
いきなりの事にタジタジになっていると、男の子が強引に立たたせて、食べ掛けの団子とお茶を刀剣男士が持って席移動を余儀なくされた。
「いきなりすみません!あの水無月佳奈さんですよね?」
「あ、はい、え?なんで名前を?」
「やっぱり!俺、元の世界の同じ会社の違う部署の中条悟って言います!」
中条悟……中条、悟、あれ?
こっちに来る前にそういえば中条悟って名札をつけた男の子が私の部署に来たっけ……
いやでもなんで私を知ってるんだろう?話したことないし。
「中条悟さん……?前に私の部署に来ましたっけ?」
「はい!覚えていてくれたんですね!違ったらどうしようかと思いました。でも佳奈さんで安心した!俺、貴方の後を追ったんですよ」
私はその一言を聞いてフリーズした。