第14章 事案
まじまじと見つめていると店主さんは譲ると言った。
「その扇子は嬢ちゃんが持つとより一層綺麗に見えるなぁ…持ち帰んなせぇ、それは嬢ちゃんが持つべきものかもしれんな」
「え、お金払います!」
そういうも店主さんは聞かずにせっせと私の手から扇子を取り、包装して渡してきた。
「お代は要らん。持ってきな」
店主さんの圧に負けて、お金を払わずに譲られてしまった。
本当にいいのかな?後でお金請求されたら恐ろしすぎる。なんて思いながら店を出た。
少し歩くといい香りがしてきて、その香りを辿ると茶屋から発せられていた。
小腹も空いたからその茶屋へ足を踏み入れた。
「いらっしゃいませ!お好きなお席へどうぞ」
店に入るや否や店員さんがそう声をかけてきて、私は空いている角の一人席に腰をかける。
席につくとおしぼりと水を出され、一通り説明を聞くもファミレスと同じような制度だった。
メニューを見てファミレスと同じようにボタンがあり、それを押して店員さんを呼び団子とお茶を頼んだ。
座りながら横にある窓の外を眺め、よく見ると刀剣男士と審神者と思える人が2人でたくさん歩いていた。
店を見回したら一人で来ているのは少数でほとんどが刀剣男士が一緒に来ている。