第113章 ドッキリは心臓に悪い
「鳴狐、私、呆れられたと思う………どうしようも無い人間だと思われたよ」
「そんなことない。まだ会って少ししか経ってないから、大丈夫だよ。これから知っていくことも多い。だから安心して」
ありがとうと一言呟くように言った
鳴狐は何を思ったのか部屋から出ていき暫くするとお茶を持ってきた
「はい、お茶」
素直にそれを受け取り飲む
そんな私を見た彼はマスクをしているから何となくしか分からないけど、少しほっとした様な表情を浮かべる
「そういえば、お供さんは?」
「小狐丸といる。油揚げの品評会やってるみたいだけど、あるじのこと心配だから抜けてきた」
油揚げの品評会が気になりすぎて見てみたいと言ったらその部屋へ連れていってくれた
テーブルに所狭しと油揚げの乗った皿が置かれている
「あるじどの!鳴狐といらっしゃったんですね!」
「ぬしさま!ぬしさまもよろしければこちらをどうぞ」
小狐丸から油揚げと日本酒を貰った
一口食べると、また別の皿を渡され、日本酒も種類が豊富で飲み食いしていると昼ごはんを食べていないままの胃にはアルコールが早く回り、いい感じに出来上がった
「どれもおいしいね!そうだこれ持ってちょっと次郎さんのとこ行ってくるね!」
一升瓶を持ち私は次郎さん探しの旅に出た